ラムネのビー玉は、選ばれなかった「B玉」だった
夏祭りで飲む、しゅわしゅわのラムネ。瓶の中で転がるビー玉には、ちょっと切ない出自があると言われます。
噂の内容
夏祭りの夜店で、氷水の中から引き上げた1本のラムネ。栓を押し込むと、ポンという音とともにビー玉が瓶の中へ落ち、泡が勢いよくあふれ出します。飲むたびにカラカラと鳴るガラス玉。子どものころ、あのビー玉をどうにかして取り出そうと、瓶をひっくり返して悪戦苦闘した人も多いのではないでしょうか。
そのビー玉について、こんな話が語られています。ラムネ瓶の栓に使えるのは、形がきれいにそろった完璧なガラス玉だけ。それが「A玉」と呼ばれた。一方、少しでもゆがんでいたり、傷があったりして栓に使えなかった玉は「B玉」と呼ばれ、子どものおもちゃとして売られた。それが「ビー玉」という名前の始まりだ、というのです。
つまり、私たちが遊んでいたビー玉は、ラムネ瓶に選ばれなかった落ちこぼれだったことになります。一方で、瓶の中に閉じ込められたままのビー玉こそが、厳しい選別をくぐり抜けたエリートだった。そう思うと、あの小さな玉がなんだか誇らしげに見えてきます。瓶の底でカラカラと鳴る音も、選ばれし者の小さな凱歌のように聞こえてくるから不思議です。
しかし、そもそもなぜ飲み物の瓶にガラス玉が入っているのでしょうか。その不思議な仕組みもまた、ラムネの魅力のひとつなのです。
ささやかれる証拠
「B」と
「ビー」の 一致 「ビー玉」の「ビー」がアルファベットのBに聞こえるため、「B級の玉」という説明はとても覚えやすいものです。言葉の響きが、そのまま説の説得力になっています。
栓に
なる玉は 精密 ラムネの栓として使うには、ある程度そろった形の玉が必要だとされます。「規格外の玉がおもちゃに回った」という話は、ものづくりの現場の話として想像しやすいのです。
取り出せない
特別感 瓶の中のビー玉は、簡単には取り出せない特別な存在です。その特別感が、「瓶の玉と外の玉は格が違う」という物語にぴったり合っています。
表向きの説明
ラムネ瓶は、19世紀のイギリスで考案された瓶が元になっているとされます。中身を詰めた瓶を逆さにすると、炭酸ガスの圧力でビー玉が内側から口のゴムに押しつけられ、栓の役目を果たす仕組みです。ラムネという名前は、レモネードがなまったものと言われています。
「ビー玉」の語源については、ラムネ瓶に使えなかった玉を指す「B玉」説のほか、ポルトガル語でガラスを意味する言葉に由来する「ビードロ玉」の略とする説などがあり、はっきりしたことはわかっていません。どの説にも、それぞれ支持する人がいて、今も議論が続いています。
ちなみに、ラムネとサイダーは中身がよく似た炭酸飲料で、一般にはビー玉で栓をする独特の瓶に入ったものがラムネと呼ばれることが多いとされます。味の違いよりも、入れ物の違いで呼び分けられてきた、少し珍しい飲み物なのです。
さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら