文字
アニメ・エンタメ / サザエさん

最終回、一家は海へ帰っていく

サザエ、カツオ、ワカメ、タラ、マスオ。この一家の名前がすべて海の幸なのは、単なる偶然なのでしょうか。

Since:—Evidence:3

日曜の夕方、あのテーマ曲が流れると「ああ、明日から月曜日か」とため息をつく。そんな経験のある人も多いはずです。半世紀以上にわたって放送が続く『サザエさん』。いつ見ても変わらない磯野家の日常は、日本の家庭の風景そのものと言えるかもしれません。

しかし、この平和な一家には、昔からまことしやかに語られる最終回の噂があります。いつか番組が終わるとき、一家は旅行に出かける。ところが乗った飛行機が海に落ち、サザエはサザエに、カツオは鰹に、ワカメは若布に。それぞれが名前どおりの海の生き物に姿を変えて、静かに海へ帰っていく——。

バリエーションもさまざまです。飛行機ではなく船だった、津波に飲み込まれるのだ、竜宮城に帰るのだ。語る人の数だけ、少しずつ違う最終回があります。どの話にも共通しているのは、一家は最初から海の生き物で、陸での暮らしは仮の姿だった、という結末です。

考えてみれば、磯野家とフグ田家の名前はあまりに徹底して海にこだわっています。苗字の「磯野」まで、磯。作者は最初から、この一家の終わり方を決めていたのではないか。そう思わせるだけの材料が、確かにそろっているのです。日曜の夕方に聞くあの明るい歌も、そう思うと少しだけ切なく響きます。

  • 名前がすべて海産物

    サザエ、カツオ、ワカメ、タラオ、マスオ、波平、フネ。登場人物の多くが海にまつわる名前を持ち、苗字も「磯野」です。ここまで徹底していると、何か意図があると考えたくなります。

  • 変わらない日常の終わり

    何十年も同じ日常を繰り返してきた一家には、普通の最終回が想像しにくいものです。だからこそ、極端でファンタジックな結末の噂が生まれやすかったと言われます。

  • 終わりの見えない長寿番組

    あまりに長く続いているため、最終回はすでに作られて保管されている、という噂まで語られます。見られないものほど、人は想像をふくらませるものです。

アニメ『サザエさん』は1969年の放送開始以来、現在も放送が続いており、最終回は迎えていません。原作の長谷川町子さんによる漫画は、1946年に福岡の地方紙で連載が始まり、のちに朝日新聞に場所を移して、1974年に特別な結末なく連載を終えています。

海へ帰る最終回は、登場人物の名前の由来から生まれた噂と考えられ、公式に予定されている結末として発表されたことはありません。最終回がすでに制作済みという話についても、確かな根拠は確認されていません。ただ、終わりの来ない物語だからこそ、人々がそれぞれの最終回を思い描いてきたのでしょう。

ちなみに、長谷川町子さんは福岡に住んでいた頃、妹と海岸を散歩しながら登場人物の名前を思いついたと言われています。また、アニメ『サザエさん』は「最も長く放送されているテレビアニメ番組」としてギネス世界記録に認定されています。

さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら