ポール・マッカートニーは1966年に死んで、替え玉になった
『アビイ・ロード』のジャケットで、ひとりだけ裸足で歩く男。彼は本当に、あのポールなのでしょうか。
噂の内容
1969年の秋、アメリカのラジオ局にかかってきた一本の電話が、騒動に火をつけたと言われます。「ポール・マッカートニーは死んでいる。ビートルズのレコードを逆回転させてみろ」。この話は瞬く間に広がり、大学新聞がこの噂を面白おかしく記事にしたことで、全米のファンを巻き込む大騒ぎになります。
噂の筋書きはこうです。1966年、ポールは交通事故で亡くなった。世界的人気バンドの危機を隠すため、残されたメンバーたちは、そっくりさんを探し出して替え玉に仕立てた。しかし罪悪感に耐えかねた彼らは、アルバムのジャケットや歌詞に、真実を示すヒントをこっそり忍ばせたというのです。
そこからファンによる「手がかり探し」が過熱しました。極めつけは、1969年に発売された『アビイ・ロード』のジャケット。横断歩道を渡る4人の姿は、白い服のジョンが牧師、黒い服のリンゴが葬儀屋、ジーンズのジョージが墓掘り人、そして裸足で目を閉じたポールが遺体を表す葬列だというのです。
背景に停まるフォルクスワーゲンのナンバープレートには「28IF」の文字。ポールが生きていれば28歳だった、という意味だと語られました。偶然にしては、あまりにも出来すぎているように見えます。
ささやかれる証拠
ひとりだけ裸足のポール
『アビイ・ロード』のジャケットで、ポールだけが裸足で、他のメンバーと足並みもそろっていません。埋葬される遺体は裸足で送られる、という話と結びつけられました。
葬列に見える服装
白、黒、デニム、スーツと、4人の服装がそれぞれ葬儀の役割を表しているように見えます。一枚の写真にここまで意味を読み込めることが、噂を加速させました。
逆再生で聞こえる言葉
曲を逆回転させると、ポールの死をほのめかす言葉が聞こえる箇所があると言われます。レコードを逆回しして確かめるファンが続出しました。
「28IF」のナンバー
ジャケットの背景に写る車のナンバーが、ポールが生きていれば迎えた年齢を示している、と解釈されました。細部にまで意味がありそうに見えるのが、この噂の魅力です。
表向きの説明
この噂は1969年、アメリカのラジオ番組や大学新聞をきっかけに大流行したことが知られています。騒ぎを受けて、ポール本人が雑誌『ライフ』の取材に応じて健在であることを示し、噂を否定しました。ポールはその後も、ソロや自身のバンドで長く現役として活動を続けています。
ジャケットの服装や裸足については、撮影当日の暑さなどから靴を脱いだだけとも言われ、特別な意図を示す確かな記録はありません。逆再生で聞こえるとされる言葉も、聞く側が意味を当てはめている可能性が指摘されています。また、「28IF」についても、1969年当時のポールの年齢は27歳で、ぴたりと合うわけではありません。
ちなみに、ポール本人もこの噂をネタにしています。1993年に発表したライブアルバムの題名は『ポール・イズ・ライヴ』。ジャケットでは、『アビイ・ロード』と同じ横断歩道を、ポールが犬を連れて渡っています。背景の車のナンバーには、そのとき自身の年齢を示す数字が入っているとされます。
さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら