ピカチュウの尻尾の先は、黒かったはずだ
あなたの記憶のピカチュウと、いま画面にいるピカチュウ。どこかが違うなら、変わったのは世界の方かもしれません。
噂の内容
目を閉じて、ピカチュウを思い浮かべてみてください。黄色い体、赤いほっぺ、ギザギザの尻尾。その尻尾の先は、黒くなっていませんでしたか? 実はこの問いに「黒かった」と答える人が、驚くほど多いのです。頭の中の絵は、それほどはっきりしているのです。
ところが公式のイラストを見ると、尻尾の先は黒くありません。黒いのは耳の先だけ。「そんなはずはない、子どもの頃に見たピカチュウは確かに黒かった」。ネット上ではそんな声が次々に上がり、この奇妙な現象はひとつの言葉で呼ばれるようになりました。それが「マンデラ効果」です。
名前の由来は、南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領。彼が1980年代に獄中で亡くなったというニュースを覚えている、と語る人が大勢いたのに、実際のマンデラ氏は釈放され、大統領にまでなっていた。この食い違いから名付けられたと言われます。ニュース映像まで見た気がする、という人もいたほどです。
さらに一部では、こんな説まで語られます。私たちは気づかないうちに、少しだけ違う並行世界へ移動してしまったのではないか。記憶が間違っているのではなく、世界の方が書き換わったのだ、と。ボードゲーム「モノポリー」のおじさんの片眼鏡など、同じ「ずれ」を感じる例は世界中で集められています。
ささやかれる証拠
大勢の
記憶が 一致する ひとりの勘違いなら片付けられても、同じ間違いを多くの人が共有していることが不思議がられます。「みんなが同じ記憶を持っている」こと自体が、証拠のように受け取られました。
耳の
先は 本当に 黒い ピカチュウの耳の先は実際に黒く塗られています。黒い部分がある、という記憶自体は正しいため、それが尻尾に移ってしまっても違和感を覚えにくいのです。
ネットで
一気に 共有 SNSで「覚えてる?」と問いかける投稿は、見た人を巻き込みやすい形をしています。自分も同じだと気づいた人が次々に反応し、話題が雪だるま式に広がりました。
表向きの説明
「マンデラ効果」という言葉は、2010年頃に超常現象の研究家を名乗るフィオナ・ブルームが広めたとされています。ネルソン・マンデラ氏が実際に亡くなったのは2013年のことで、獄中で死去したという記録はありません。ピカチュウの尻尾についても、公式のデザインで先端が黒く描かれたことはないとされています。
心理学では、人の記憶は見たものをそのまま保存するのではなく、思い出すたびに組み立て直されるものだと考えられています。似た特徴を持つほかのキャラクターのイメージや、「こうであるはず」という思い込みが混ざることで、多くの人が同じ方向に記憶をずらしてしまう。そうした説明がよく挙げられます。
ちなみに、ピカチュウの尻尾には実際にちょっとした「違い」があります。ゲーム『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』からポケモンにオスとメスの見た目の違いが導入され、メスのピカチュウは尻尾の先がハートのような形にくぼんでいるのです。尻尾の記憶にこだわるなら、先端の形にも注目してみてください。
さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら