満月の夜は、事件や出産が増える
「今夜は満月だから、忙しくなるぞ」。病院や警察の現場では、そんな言葉がささやかれることがあると言われます。
噂の内容
ある病院の夜勤の休憩室。窓の外には、まん丸な月が煌々と輝いています。ベテランの看護師がため息まじりにつぶやきました。「今夜は満月だから、きっと荒れるわよ」。その言葉どおり、夜が更けるにつれて救急車のサイレンが鳴りやまず、分娩室にも次々と妊婦さんが運ばれてきた。そんな話が、あちこちで語られています。
満月の夜には、人の心や体に何かが起こる。こうした考え方は、昔から世界各地に存在していました。満月になると交通事故やけんかが増える、救急外来が混み合う、犯罪が多発する。そして、出産が増えるという話も根強く語られています。月の満ち欠けと女性の体のリズムが似ていることも、この説を後押ししてきました。
その理由として挙げられるのが、月の引力です。月が海の水を引っぱって潮の満ち引きを起こすのなら、体の大部分が水でできている人間にも影響があるはずだ、というのです。満月の夜、人の体の中でも小さな潮の満ち引きが起きている。そう聞くと、なんとなく納得してしまいそうになります。月を見上げる人々の胸が、なぜかざわつくのも無理はありません。
夜空にぽっかりと浮かぶ満月。その美しい光の下で、私たちの知らないうちに、何かが静かに動き出しているのかもしれません。
ささやかれる証拠
現場の
人の 実感 医療や警察の現場で働く人たちの間でも、満月の夜は忙しいという話が語られることがあるとされます。実際に働く人の実感は、噂に大きな説得力を与えます。
潮の
満ち 引きとの 連想 月の引力が潮の満ち引きを起こしていることは、よく知られた事実です。そこから「人の体にも影響があるのでは」と考えるのは、とても自然な連想です。
月と
体の リズム 月の満ち欠けの周期は約29.5日で、人の体のリズムと近いとよく言われます。数字が近いことが、月と人の体の結びつきを強く印象づけています。
表向きの説明
満月と出産や事件、救急外来の患者数などとの関係については、これまでに多くの研究が行われてきましたが、はっきりとした関連は見られないとする報告が多いとされます。一部に関連を示したとする研究もありますが、結果は一定していません。
月の引力が潮の満ち引きを起こすのは、地球全体の広大な海に働く力によるものです。人の体のように小さなものに対しては、その影響はごくわずかだと考えられています。満月の夜に起きた出来事は印象に残りやすく、「やはり満月だった」と記憶されやすいことも、この説が語り継がれる理由のひとつとされます。
ちなみに、月は地球から少しずつ遠ざかっていることがわかっています。その速さは1年に約3.8センチメートルとされ、アポロ計画で月面に設置された反射板にレーザーを当てて測定されてきました。はるか昔の地球では、月は今より大きく見えていたと考えられています。
さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら