ウラ話大全URA-BANASHI
科学・生活の俗説 / 雷

雷は同じ場所に2度落ちない

一度雷に打たれた場所は、もう二度と狙われない。だから逃げ込むなら、焦げ跡のある木の下が安全だとか。

Since:—Evidence:3

夏の午後、空が急に暗くなり、遠くでごろごろと低い音が響き始めます。やがて稲光が走り、耳をつんざく轟音。どこかに雷が落ちたようです。そんなとき、昔からささやかれてきた言い伝えがあります。「雷は同じ場所には二度と落ちない」。

一度落ちたところは、もう安全地帯。雷はまだ誰も手を付けていない場所を選んで落ちるのだから、焦げた跡のある木や、前に雷が落ちた家のそばにいれば、自分が打たれることはない。そんな理屈で語られることもありました。雷は一度に大量の電気を使い果たしてしまうので、その場所にはもう落とす力が残っていない、というもっともらしい説明が添えられることもあったと言われます。

英語にも「稲妻は同じ場所に二度落ちない」という古い言い回しがあり、めったに起きない不運は二度続かない、というたとえとして使われてきたと言われます。日本でも雷よけのおまじないは数多く、雷が鳴ると「くわばら、くわばら」と唱える習慣は、菅原道真の領地だった桑原には雷が落ちなかったという伝説に由来するとも言われています。

雷には落ちてはいけない場所がある。雷にも、何かしらのルールがある。人々はそう信じることで、空からの恐ろしい一撃に少しでも立ち向かおうとしてきたのかもしれません。

  • ことわざとして定着

    英語圏では決まり文句として広く使われ、日本語にも訳されて紹介されてきました。耳なじみのある言葉は、それだけで真実らしく聞こえます。

  • 落雷はめったに起きない

    私たちの日常で、同じ場所に雷が落ちるのを目撃する機会はほとんどありません。自分が見たことがないことは「起きない」と感じやすいものです。

  • 雷よけの伝承が多い

    くわばらの伝説のように、特定の場所には雷が落ちないという話は各地に残っています。雷の落ちる場所にはルールがある、という考え方そのものが古くから親しまれてきました。

雷は、周囲より高いものや電気を通しやすいものに落ちやすい性質があります。そのため、高い建物や塔、山頂、ぽつんと立つ木などには何度も繰り返し落雷することがあります。ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルには、1年に20回前後も雷が落ちると言われています。

避雷針が役に立つのも、雷が同じ場所に何度でも落ちるからこそです。また、木の下に逃げ込むと、木に落ちた雷が人に飛び移る「側撃雷」の危険があるため、避けるべきだとされています。雷鳴が聞こえたら、すでに落雷の危険がある範囲にいると考え、建物や車の中など安全な場所にすぐ移動するのが基本です。

ちなみに、雷が同じ「人」に何度も落ちた例もあります。アメリカの公園レンジャーだったロイ・サリバンさんは、生涯で7回も雷に打たれ、そのたびに生き延びたとしてギネス世界記録に認定されています。二度落ちないどころか、雷に好かれてしまう人もいるようです。

さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら