落とした食べ物は、5秒以内に拾えばセーフ
床に落ちたクッキーに、すかさず手を伸ばして「セーフ!」。誰もが一度は唱えたことのある、あの謎のルールの真相とは。
噂の内容
おやつの時間、手がすべってクッキーが床に落ちてしまいました。一瞬の沈黙のあと、誰かが叫びます。「5秒ルール!」。慌てて拾い上げ、ふっと息を吹きかけて、何事もなかったかのように口へ運ぶ。まわりの人も、それ以上は何も言いません。日本では「3秒ルール」と呼ばれることも多い、あの暗黙の了解です。
このルールの理屈はこうです。床に落ちた食べ物に菌がつくには、少し時間がかかる。だから、すぐに拾えば菌が移る前に救出できる。5秒か3秒か、はたまた10秒か。秒数は地域や家庭によってまちまちですが、「すぐ拾えば大丈夫」という考え方は、国を越えて広く共有されているようです。
中には、さらに細かいルールを持つ人もいます。床がきれいなら10秒までOK、自分の家なら大丈夫、乾いたお菓子ならセーフ。落とした食べ物への未練が強いほど、ルールはどんどん甘くなっていくのです。もったいない気持ちと、ちょっとした後ろめたさ。その間で揺れる心を、このルールがそっと後押ししてくれます。まわりの誰かが「セーフ」と認めてくれれば、それで一件落着です。
床とクッキーの間で繰り広げられる、わずか数秒の攻防。そこには、私たちが思っている以上の科学が隠れているのかもしれません。
ささやかれる証拠
もったいない
気持ち 落とした食べ物を捨てるのはもったいない、という気持ちは多くの人に共通しています。ルールがあることで、拾って食べることへの後ろめたさが軽くなります。
納得しやすい
理屈 「すぐに拾えば菌がつく時間がない」という理屈は、直感的にわかりやすいものです。時間をかければかけるほど汚れる、という感覚にも合っています。
食べても
平気だった 経験 落としたお菓子を拾って食べても、特に何も起こらなかったという経験を持つ人は多いでしょう。その体験が、ルールの正しさを裏づけているように感じられます。
表向きの説明
アメリカの大学が行った実験では、食べ物が床などに落ちると、1秒未満でも細菌が移ることがあると報告されています。接触時間が長いほど移る量は増える傾向があったものの、食べ物の水分量や、落ちた場所の素材によって結果は大きく変わったとされます。
同じ研究では、水分の多い食べ物ほど菌が移りやすく、カーペットの上ではタイルやステンレスの上より移りにくかったとも報告されています。「5秒以内なら安全」とは言い切れず、床の状態や食べ物の種類によってリスクは変わると考えられています。時間の長さだけでなく、どこに何を落としたかも大切なようです。
ちなみに、この「5秒ルール」を調べたアメリカの高校生の研究は、2004年に「イグ・ノーベル賞」を受賞しています。イグ・ノーベル賞は、人々を笑わせ、そして考えさせる研究に贈られる賞として知られており、身近な疑問に真剣に取り組んだ研究が評価された形です。
さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら