扇風機をつけたまま寝ると死ぬ
閉め切った部屋で扇風機を回したまま眠ると、朝には冷たくなっている。隣の国では、今も多くの人がそう信じていると言われます。
噂の内容
蒸し暑い夏の夜。窓を閉め切った寝室で、扇風機のスイッチを入れてベッドに横になる。心地よい風に包まれて、すっと眠りに落ちていく。ところが、それが人生最後の夜になるかもしれない。そんな恐ろしい言い伝えがあります。
特に韓国では「扇風機死」として広く知られ、長く信じられてきたと言われます。風が体温を奪い続けて低体温症になる、部屋の酸素が扇風機にかき回されて足りなくなる、顔に風が当たり続けて息ができなくなる。死に至る理由はいくつも語られ、どれももっともらしく聞こえました。扇風機が回す空気で部屋の空気が「薄く」なる、という説明まであったとされます。
夏になると、扇風機をつけたまま亡くなった人のニュースが報じられることもあったとされます。そのたびに「やはり扇風機のせいだ」と噂は勢いを取り戻しました。韓国で売られる扇風機には就寝用のタイマーが当たり前のように付いており、それこそが危険の証拠だと考える人もいたようです。旅行者や留学生が現地の友人に「扇風機を止めて寝ないと危ない」と真顔で注意され、驚いたという話もよく聞かれます。
家族が寝ている部屋の扇風機を、そっと止めて回る夜。それは愛情であり、長い年月をかけて受け継がれてきた、ひとつの生活の知恵でもあったのです。
ささやかれる証拠
もっと
もらしい 理由が 多い 低体温、酸欠、窒息と、原因の説明が複数あり、どれも理科の知識で何となく納得できてしまいます。理由がたくさんあるほど、どれかは本当なのではと思えてきます。
死亡との
ニュース 扇風機をつけたまま亡くなった人の報道が、扇風機が原因であるかのような文脈で伝えられたことがあったとされます。身近な家電と死が結びつく話は強く記憶に残ります。
タイマー機能の
存在 扇風機に切タイマーが付いていること自体が、「一晩中つけておくのは危険だから」という理由を連想させました。製品の仕様が、噂の裏付けのように見えたのです。
家族からの
言い 伝え 親や祖父母から繰り返し注意されて育つと、疑う理由がなくなります。世代を超えて受け継がれてきたこと自体が、信じる根拠になっていました。
表向きの説明
扇風機の風で部屋の酸素がなくなったり、顔に風が当たって窒息したりするという科学的な根拠はありません。扇風機は空気をかき混ぜるだけで、酸素を消費したり減らしたりするものではないからです。健康な人が扇風機の風だけで命に関わるほど体温が下がることも、通常は考えにくいとされています。
扇風機をつけたまま亡くなったとされる例では、持病や飲酒、暑さそのものによる熱中症など、ほかの要因が関係していた可能性が指摘されています。ただし、風を体に直接当て続けるとだるさや体の冷えを感じることはあるため、首振りやタイマーを使ったり、風を壁に向けたりすると快適に眠りやすくなります。
ちなみに、日本で最初の電気扇風機は、1894年に芝浦製作所(のちの東芝)が製造したとされています。当初は直流の電気で動き、白熱電球が付いていたとも言われます。一般家庭に広く普及したのは戦後の高度経済成長期で、テレビや冷蔵庫と並ぶ夏の必需品として家庭に定着していきました。
さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら