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UMA・未確認生物 / 日本各地

雷とともに空から落ちてくる獣がいる

激しい雷鳴のあと、地面に何かが落ちていた。鋭い爪を持つその獣は、雷に乗って天から降りてきたといいます。

Since:江戸時代に記録多数Evidence:3

空が真っ黒な雲に覆われ、稲妻が走る。ゴロゴロと鳴り響く雷鳴の中、雷が木や家に落ちたその場所に、見慣れない獣がうずくまっていた。江戸時代の人々は、それを「雷獣」と呼びました。雷とともに天から落ちてくる、不思議な生き物です。雷の多い夏の日には、人々は雷獣の話をささやき合ったのかもしれません。

雷獣の姿は、地域や記録によってさまざまに語られています。イタチやネコのような姿で、鋭い爪を持つとも。オオカミのようだとも、足が6本あるとも言われます。ふだんは雲の上に棲んでいて、雷が鳴ると一緒に地上へ降りてくる。木に落雷した跡が引き裂かれたようになっているのは、雷獣の爪痕だとも考えられていました。青白い光をまとっていたとか、雲に乗って去っていったとか、話はさらに不思議な方向へ広がっていきます。

江戸時代の随筆や記録には、雷獣を捕まえた、見世物にされていた、といった話が数多く残されているとされます。絵に描かれたものや、ミイラとして伝わるものまであると言われます。雷獣をひと目見ようと、見世物小屋に人々が集まったこともあったと言われます。

雷が去ったあとの静けさの中で、人々は空を見上げ、あの獣がまた降りてくるのではないかと身をすくめたのでしょう。雷獣は、空と地上をつなぐ謎の存在だったのです。

  • 江戸時代の記録が多い

    当時の随筆や見聞録に、雷獣の目撃や捕獲の話が多く記されているとされます。多くの人がその存在を真剣に語っていたことがうかがえます。

  • 絵や標本が伝わる

    雷獣を描いたとされる絵や、雷獣のミイラとされるものが各地に残っていると言われます。形のある証拠として挙げられています。

  • 落雷の跡との関連

    雷が落ちた木には、引き裂かれたような傷が残ることがあります。これを獣の爪痕と見る考えが、雷獣の話を裏付けるものとされてきました。

雷獣の正体としては、ハクビシンやテン、イタチ、ムササビなど、実在の動物が挙げられています。雷雨のときに驚いて木から落ちたり、落雷のあった場所の近くに逃げ込んだりした動物を見た人々が、雷とともに降りてきたと考えたのではないかという説です。記録にある姿がばらばらなのも、さまざまな動物が雷獣と呼ばれていたためだと考えられています。

雷という自然現象の仕組みが分からなかった時代、人々はその恐ろしい力に、目に見える形を与えようとしたのかもしれません。雷獣は、昔の人々が雷をどれほど恐れ、どれほど理解しようとしていたかを物語る存在でもあります。

ちなみに、雷よけのおまじないとして知られる「くわばら、くわばら」には諸説あります。そのひとつが、雷神となったと伝えられる菅原道真の領地「桑原」には雷が落ちなかったから、という説です。空を恐れた昔の人々の知恵が、言葉として今に残っているわけです。

さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら