ウラ話大全URA-BANASHI
UMA・未確認生物 / 日本の山野

ツチノコは今もどこかの山に潜んでいる

胴だけがビール瓶のように太い謎の蛇。跳ねる、転がる、そして人を見ると素早く逃げる——。

Since:1970年代にブーム〜現在Evidence:3

山道で草をかき分けたその先に、奇妙な蛇がいた。頭と尾は細いのに、胴だけが異様に太い。まるでビール瓶か、槌(つち)のような形。そんな目撃談が、日本各地の山村で語り継がれてきました。それがツチノコです。地方によってはノヅチ、バチヘビ、ツチンボなどと呼ばれ、呼び名の多さそのものが、古くから人々の身近にいた証拠だとも言われます。

噂によれば、ツチノコは普通の蛇のように体をくねらせず、尺取り虫のように進むとされます。坂道では体を丸めて転がり落ち、ときには数メートルも跳躍する。さらに「チー」と鳴く、いびきをかく、酒が好き、といった話まで伝わっています。どれも、ただの蛇ではありえない特徴ばかりです。

全国的な騒ぎになったのは1970年代。釣りや山歩きの随筆、漫画などで取り上げられたことをきっかけに、ツチノコ探しがちょっとした社会現象になりました。テレビや雑誌が特集を組み、週末ともなれば網と棒を手にした探検隊が山へ分け入ったと言われます。

ブームが去った今も、目撃談は途切れていません。「死骸を見つけた」「写真に撮った」という報告が出るたびに、地元は色めき立ちます。ただ、決定的な一匹が捕まったという話は、いまだに聞こえてきません。捕まえた人がいないのか。それとも、捕まらないように隠れているのか。

  • 古い文献に似た姿が載っている

    『古事記』には野の神として「野椎神(のづちのかみ)」の名が見え、江戸時代の百科事典『和漢三才図会』にも、胴の太い「野槌蛇」が描かれているとされます。昔から知られた生き物だった、というのが信じる人の主張です。

  • 全国で特徴が一致する

    遠く離れた地域の目撃談でも「胴が太い」「短い」「跳ねる」といった特徴がよく似ていると言われます。ばらばらの作り話なら、ここまで揃うだろうか、というわけです。

  • 自治体が本気で探している

    いくつかの町や村が、捕獲に賞金をかけたイベントを開いてきました。行政まで動くのだから何かいるはずだ、と考える人も少なくありません。

これまでに学術的に新種として確認されたツチノコの標本はありません。「発見」とされた個体の多くは、獲物を丸のみしてお腹が膨らんだヤマカガシやマムシなど、既知の蛇だったのではないかと考えられています。蛇は頭と胴の境が分かりにくく、短く太く見える瞬間があるのも確かです。

近年は、ペットとして輸入されたアオジタトカゲなど、胴が太く脚の短い外国産トカゲを見間違えた可能性も指摘されています。一方で、古い伝承の中身まではすべて説明がついておらず、なぜこれほど各地で似た姿が語られてきたのかは、民俗学的にも興味深いテーマとして残っています。

ちなみに、ツチノコ探しは今や立派な地域おこしです。岐阜県東白川村では毎年のように「つちのこフェスタ」と呼ばれる捜索イベントが開かれ、捕獲に賞金がかけられてきたとされます。参加者が山へ散っていく光景はまさに春の風物詩。見つからなくても、村はしっかり盛り上がるという仕組みです。

さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら