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アニメ・エンタメ / ポケットモンスター 赤・緑(1996)

シオンタウンの曲で子どもが次々と倒れた

発売直後、ある町のBGMを聞いた子どもたちが体調を崩した。そんな噂が、海の向こうから逆輸入されました。

Since:2010年頃〜Evidence:3

1996年に発売された『ポケットモンスター 赤・緑』。日本中の子どもたちがゲームボーイを握りしめ、151匹のポケモン集めに夢中になりました。その冒険の途中に、ひときわ異質な町があります。亡くなったポケモンたちが眠る塔がそびえる町、シオンタウン。

この町に足を踏み入れると、それまでの明るい音楽は一変し、もの悲しく不気味なメロディが流れ始めます。子ども心に「この町、なんだか怖い」と感じた人も多いはずです。そして2010年頃、海外の掲示板にこんな話が投稿されました。

発売直後の日本で、シオンタウンのBGMを聞いた子どもたちが次々と体調を崩し、頭痛や鼻血を訴え、中には深刻な事態に至った子もいた。原因は、曲の中に隠された高い周波数の音。大人の耳には聞こえず、感受性の強い子どもにだけ届く音だった。事件は闇に葬られ、その後のバージョンでは曲がこっそり修正された——。まことしやかに、被害の人数まで添えて語られました。

「シオンタウン症候群」と名づけられたこの話は、英語圏のネットで爆発的に広まりました。さらに、日本で実際に起きた「ポケモンショック」の記憶と重なり、妙なリアリティを帯びていったのです。怖いもの見たさで曲を聞いてみる人も続出しました。

  • 不気味すぎる曲調

    シオンタウンのBGMは、ゲーム全体の中でも際立って不安をかき立てる曲です。子どもの頃に怖いと感じた記憶が、噂を信じる下地になっています。

  • 聞こえない音という設定

    大人には聞こえず子どもにだけ届く、という話は検証が難しく、否定もしにくい仕掛けです。見えない原因は、人の想像力を強く刺激します。

  • ポケモンショックとの混同

    ポケモン関連で子どもが体調を崩した出来事は、実際に報道されています。この本物の事件が、架空の話に説得力を与えてしまいました。

シオンタウンのBGMで子どもが倒れたという事件の記録はなく、2010年頃に海外の掲示板で作られた創作怪談、いわゆる「クリーピーパスタ」の一つとされています。当時の日本でそのような被害が報じられた事実も確認されていません。

一方で、実際に起きたのが「ポケモンショック」です。1997年12月、テレビアニメ『ポケットモンスター』の放送中、激しい光の点滅を含む場面を見た視聴者の一部が体調不良を訴え、多数が病院に搬送されました。アニメは一時放送を休止し、この出来事をきっかけに、テレビ業界では光の点滅に関する映像表現のガイドラインが設けられています。

ちなみに、アニメの冒頭などでおなじみの「テレビを見るときは、部屋を明るくして離れて見てね」という注意書き。これが広く表示されるようになったのは、ポケモンショックがきっかけだとされています。放送休止を経てアニメが再開したのは翌1998年4月のことでした。

さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら