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アニメ・エンタメ / ファミコン

カセットに息を吹きかけると、ゲームが動くようになる

画面がバグる、映らない。そんな時はカセットにフーッと一吹き。あの儀式に効果はあったのでしょうか。

Since:1980年代〜Evidence:3

1983年に発売された任天堂のファミリーコンピュータ、通称ファミコン。当時の子どもたちにとって、それは魔法の箱でした。ところがこの魔法の箱、ときどき機嫌を損ねます。電源を入れても画面が真っ暗、あるいは妙な模様やぐちゃぐちゃのキャラクターが映し出される。

そんなとき、誰に教わるでもなく全国の子どもたちがやっていたのが、カセットの端子にフーッと息を吹きかける儀式です。吹いて、差し直して、電源を入れる。すると不思議なことに、さっきまで動かなかったゲームがちゃんと起動する。

理屈はこうです。端子にたまったほこりが接触を悪くしている。息で吹き飛ばせば、ちゃんと読み込めるようになる。兄から弟へ、友達から友達へ。説明書に書かれているわけでもないのに、この方法はいつの間にか常識になっていました。この裏技は国境を越え、アメリカの子どもたちも同じようにカセットに息を吹きかけていたと言われます。

何度吹いてもダメなときは、もっと強く吹く。角度を変えて吹く。吹き方にこだわりを持つ子まで現れました。カセットをいったん抜いて、息を吹いて、少し斜めに差してみる。本体を軽くたたく。家ごとに秘伝の手順があったとも言われます。あの必死の一吹きは、本当に効いていたのでしょうか。

  • 実際に直った体験

    吹いたあとに差し直すと動いた、という経験をした人が非常に多いのが特徴です。自分の手で成功した記憶は、何より強い説得力を持ちます。

  • ほこりという分かりやすい原因

    カセットの差し込み口は、押し入れや机の上でほこりをかぶりがちでした。ほこりを飛ばすという説明は、子どもにも理解しやすいものでした。

  • 世界共通の儀式

    日本だけでなく海外でも同じ行動が広まっていたと言われます。国を越えて同じ方法が支持されたことが、効果がある証拠だと考えられました。

ゲームが動くようになったのは、息そのものよりも、カセットを抜き差ししたことで端子の接触状態が変わったため、と考えられています。つまり、息を吹かずに差し直すだけでも同じように直った可能性が高いということです。

むしろ、息に含まれる湿気や唾液は、金属の端子にサビや汚れを生じさせる原因になると指摘されています。任天堂も、カセットに息を吹きかけないよう注意を呼びかけていたとされます。端子の汚れが気になるときは、乾いた柔らかいもので優しく拭き取るのが無難だと言われます。とはいえ、あの一吹きが子どもたちの心を落ち着かせる大切な儀式だったことも、また事実かもしれません。

ちなみに、初期のファミコンの2コンにはマイクが内蔵されていました。ディスクシステム版の『ゼルダの伝説』には、このマイクに向かって声を出すと倒せる敵「ポルスボイス」が登場します。コントローラーに向かって大声を出した記憶のある人もいるのではないでしょうか。

さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら