コロンブスより先にアメリカに着いた人々がいた
1492年、新大陸発見。しかしその何百年も前、大西洋を渡った船乗りたちがいたと言われています。
噂の内容
1492年、クリストファー・コロンブスはスペインの支援を受けて大西洋を西へ進み、カリブ海の島にたどり着きました。この航海は、ヨーロッパの人々にとって「新大陸発見」として歴史に刻まれています。しかし、本当にコロンブスが最初だったのでしょうか。大西洋や太平洋の向こう側には、もっと古い航海の物語が眠っているとも言われます。
北欧に伝わる古いサガ(物語)には、ヴァイキングの航海者レイフ・エリクソンが、グリーンランドからさらに西へ船を進め、ぶどうの実る豊かな土地「ヴィンランド」を見つけた、という話が語られています。コロンブスより500年近くも前のことです。長い間、それはただの伝説だと考えられてきました。
候補者はヴァイキングだけではありません。6世紀ごろのアイルランドの修道士が、小さな革の舟で西の海の果てにある島へ渡ったという伝説。15世紀初め、大船団を率いた明の鄭和の艦隊の一部が、アメリカ大陸に到達していたという大胆な説まで唱えられました。さらに、太平洋の島々を渡り歩いたポリネシアの人々が、南アメリカにたどり着いていたという話もあります。
海の向こうへ漕ぎ出した名もなき人々。教科書の年表の外側に、もう一つの大航海時代があったのかもしれません。
ささやかれる証拠
北欧の
サガ アイスランドなどに伝わるサガには、西の新しい土地へ航海した記録が語られています。物語の具体的な描写が、実際の航海を思わせると言われてきました。
太平洋の
サツマイモ 南アメリカ原産とされるサツマイモが、ヨーロッパ人の到来以前からポリネシアの島々で栽培されていたと考えられています。誰かが太平洋を越えて持ち帰ったのでは、と注目されてきました。
鄭和の
大艦隊 明の鄭和はアフリカ東岸にまで達する大航海を行ったとされます。これほどの船団なら、アメリカにも届いたのでは、という想像がふくらみました。
表向きの説明
1960年代、カナダのニューファンドランド島にあるランス・オ・メドーで、ヴァイキングの居住跡が発見されました。現在では、コロンブスよりはるか前に北欧の人々が北アメリカに到達していたことは、考古学的に確かめられた事実とされています。一方、アイルランドの修道士や鄭和の艦隊が到達したとする説には、確かな証拠は見つかっていません。
ポリネシアの人々と南アメリカの先住民との接触については、遺伝子の研究などから、その可能性を示す結果が報告されています。そして何より、アメリカ大陸にはコロンブスのはるか以前から、多くの先住民の人々が暮らしていました。
ちなみに、ランス・オ・メドーの遺跡では、ヴァイキングが金属の道具で切った木材が見つかっています。2021年に発表された研究では、木の年輪に残された宇宙線の痕跡を手がかりに、伐採の年が西暦1021年と特定されたとされます。コロンブスの航海のちょうど471年前のことです。
さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら