ヒマラヤの雪山には雪男イエティがいる
標高数千メートル、誰もいないはずの真っ白な雪原に、点々と続く人間離れした巨大な足跡——。
噂の内容
世界の屋根、ヒマラヤ。空気は薄く、人の暮らしがほとんど届かない雪と岩の世界に、全身を毛で覆われた二本足の生き物がいる。シェルパの人々が古くから語ってきたその存在が、イエティです。日本では「雪男」の名でもおなじみですね。
欧米で広く知られるようになったのは、20世紀の登山ブームがきっかけでした。エベレストを目指した遠征隊が雪原で不思議な足跡を見つけ、その話が新聞で報じられます。「忌まわしき雪男」という物々しい英語名が生まれたのもこのころとされます。
とりわけ有名なのが1951年、イギリスの登山家エリック・シプトンが撮影した足跡の写真です。雪に残された大きな跡の横にはピッケルが置かれ、そのサイズの大きさが一目でわかる。この写真が世界中に出回ると、各国から雪男探しの探検隊がヒマラヤへ向かうようになりました。雪男は、本当にいるのかもしれない。
さらにヒマラヤの寺院には、「イエティの頭皮」や「イエティの手」とされる品が伝わっていたと言われます。夜中に家畜が襲われた、奇妙な叫び声を聞いた、という話も伝わっています。雪の中の足跡、村人の目撃談、そして寺の秘宝。証拠はそろっているように見えるのに、肝心の本体だけが姿を見せないのです。
ささやかれる証拠
シプトンの
足跡写真 経験豊富な登山家が撮影した写真で、でっち上げとは考えにくいとされてきました。足指の形まで写っているように見える点も注目されます。
現地の
人々が 昔から 知っていた シェルパやチベットの人々の間には、雪山に住む獣人の伝承が根付いているとされます。外国人が持ち込んだ話ではない、というのが信じる人の主張です。
寺に
伝わる 遺物 寺院に伝わる頭皮や手のミイラは、実物として残る数少ない「証拠」とされてきました。
表向きの説明
1960年ごろ、エベレスト初登頂で知られるエドモンド・ヒラリーが率いた調査では、寺院の「イエティの頭皮」を調べ、カモシカの仲間の毛皮から作られたものだと結論づけたとされます。雪上の足跡も、日差しで溶けて広がったり、複数の足跡が重なったりして実際より大きく見えることがあると説明されています。
2017年には、各地で「イエティのもの」として集められた毛や骨などをDNA解析した研究が発表され、その多くがヒマラヤのクマ類のものだったと報告されました。一方で、人跡未踏の地が今も残るヒマラヤでは、すべての目撃談が説明されたわけではなく、伝承としてのイエティは現地の文化の中で生き続けています。
ちなみに2019年には、インド陸軍が公式SNSで「イエティの足跡を発見した」と写真付きで投稿し、世界中で話題になりました。専門家からはクマの足跡ではないかとの声が相次いだとされますが、軍隊が大真面目に雪男に言及したインパクトは絶大。21世紀になっても、イエティはニュースを騒がせる存在なのです。
さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら