北海道の屈斜路湖には怪獣クッシーがいる
日本最大のカルデラ湖。その静まりかえった湖面を、巨大な黒い背中が進んでいった——。
噂の内容
北海道東部、弟子屈町(てしかがちょう)にある屈斜路湖。火山の噴火でできた巨大なくぼみに水がたまった湖で、周りを山々に囲まれています。湖の中ほどには、湖に浮かぶ島としては日本最大級とされる中島があります。この神秘的な湖で、1970年代に「巨大な生き物が泳いでいた」という目撃談が相次ぎました。
目撃者によれば、それはボートほどもある大きさで、背中にこぶのようなものがあり、湖面をゆっくりと進んでいったと言います。首のようなものを見たという人もいます。遠くからでも波が立つのが分かるほどの存在感。話は瞬く間に広がり、スコットランドのネッシーにならって「クッシー」と名付けられました。
当時の日本は、ネッシー人気もあって未確認生物への関心が高まっていた時代です。テレビ局や探検隊が湖を訪れ、湖畔には怪獣を一目見ようと観光客が集まりました。湖畔の土産物店にはクッシーのグッズが並んだとも言われます。湖を見下ろす展望台では、望遠鏡を手に湖面を見つめる人の姿もあったと言われます。
ブームが落ち着いてからも、ときおり「見た」という声が上がります。深い湖の底で、何かがひっそりと暮らしているのではないか。冬には全面が凍りつくこの湖の下で、クッシーは静かに春を待っているのかもしれません。
ささやかれる証拠
目撃者が
複数いた 目撃談の中には、大勢が同時に見たとされるものもあると言われます。一人の思い込みではない、というのが信じる人の根拠です。
大きな
湖で 深さも ある 屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖で、深い場所もあるため、大型の生き物が隠れる余地があると考えられてきました。
ネッシーとの
共通点 こぶのある背中が泳ぐ姿など、目撃談がネッシーとよく似ているとされます。世界の湖に同じような生き物がいる証拠だ、と考える人もいます。
表向きの説明
屈斜路湖には、昭和初期の地震などをきっかけに湖水が酸性化し、魚が大きく減った時期があったとされます。大型の生き物が生き続けられるほどの餌があったかは疑問視されており、クッシーの存在を裏付ける生物学的な証拠は見つかっていません。現在は水質が回復し、魚も戻ってきているとされます。
正体としては、湖を泳いで渡るエゾシカ、風や湖流がつくる波、流木やボートの航跡などを見間違えた可能性が挙げられています。風の強い日には、湖面に帯のような波が立つこともあります。ネッシー人気が高かった時代の空気も、目撃談を後押ししたのかもしれません。とはいえ、目撃された一つひとつの影が何だったのかは、はっきりとは分かっていません。
ちなみに、屈斜路湖の湖畔には「砂湯」と呼ばれる場所があり、砂浜を手で掘るだけで温泉が湧き出してきます。このあたりにはクッシーをかたどった像も置かれているとされ、記念撮影の人気スポットです。怪獣探しのついでに、手作りの足湯でひと休み。なんとも北海道らしい楽しみ方です。
さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら