この世界はコンピューターのシミュレーションだ
あなたが今見ている景色も、手にしているスマホも、誰かが動かすプログラムの一部かもしれないという噂です。
噂の内容
朝起きて、顔を洗い、ご飯を食べる。当たり前に続くこの毎日が、実はすべて、巨大なコンピューターの中で計算されている映像だとしたら。私たちは、自分がゲームのキャラクターだと気づいていないだけなのかもしれません。
1999年に公開された映画『マトリックス』は、人類が仮想現実の中で暮らしているという世界を描き、大ヒットしました。ところが、この考えは映画の中だけの話ではありません。2003年には、イギリスの哲学者が、私たちがシミュレーションの中に生きている可能性を真剣に論じた論文を発表しています。
その後、世界的に有名な起業家が、私たちが本物の現実に生きている確率はとても低いという趣旨の発言をしたと報じられ、話題になりました。コンピューターの性能がこのまま上がり続ければ、いつか本物と見分けのつかない世界が作れるはずだ、という理屈です。
そう思って世界を見渡すと、不思議なことが気になり始めます。初めての場所なのに見覚えがあるデジャヴ。大勢の人が同じように記憶違いをしている現象。光の速さという、越えられない上限。これらはすべて、プログラムのバグや処理能力の限界なのではないか。この問いを、完全に否定できる人はいるのでしょうか。
ささやかれる証拠
技術の
急速な 進歩 数十年前の単純なゲームと今のリアルな映像を比べると、進歩の速さは明らかです。このまま進めば、いつか本物と区別できない世界が作れるはずだ、という考えにつながります。
哲学者の
真剣な 議論 単なる空想ではなく、大学の哲学者が論理的に可能性を検討した論文があります。学問の世界で議論されていることが、説の重みを増しています。
日常の
奇妙な 体験 デジャヴや記憶の食い違いなど、誰もが一度は感じる不思議な体験があります。それを世界のバグとして説明すると、妙に納得できてしまうのです。
宇宙の
法則の 数学的な 美しさ 物理の法則が、驚くほどきれいな数式で表せることが知られています。まるで誰かが書いたプログラムのようだ、と感じる人もいます。
表向きの説明
シミュレーション仮説は、スウェーデン出身の哲学者ニック・ボストロムが2003年に発表した論文で広く知られるようになりました。この論文は、世界がシミュレーションであると断定するものではなく、いくつかの可能性のうち少なくとも一つが正しいはずだという論理的な議論を示したものとされます。
物理学者の中には、この仮説を検証する方法を提案する人もいますが、現時点で世界がシミュレーションであることを示す観測結果は得られていません。そもそも検証が可能なのかどうかも含めて、哲学と科学の境界にある問いとして議論が続いています。
ちなみに、「この世界は本物なのか」という問いは、はるか昔から考えられてきました。古代中国の思想家、荘子は、蝶になった夢を見て目覚めたとき、自分が蝶の夢を見たのか、蝶が自分になった夢を見ているのか分からなくなったという「胡蝶の夢」の話を残しています。
さて、あなたはどちらを信じますか。この噂、誰かに話したくなったら